第4回スウェーデン大使館セミナー
<2012.10/05>
今年も一昨年、昨年に引き続きスウェーデン大使館にて、認知症への理解を深めていただくとともに、舞浜倶楽部の認知症緩和ケアをご紹介させていただく機会として、公開セミナーを開催しました。
当セミナーは、介護関係者、介護をされているご家族などに、ご好評をいただいており、今回も会場は満席。基調講演には、初めて「レビー小体型認知症」を明らかにされ、認知症の研究者として世界的に著名な小阪憲司先生を講師にお招きしました。
冒頭、株式会社舞浜倶楽部代表取締役社長グスタフ・ストランデルより「2025年までに、介護が必要な人は、現在の約2倍になると予測されています。介護事業者として、ますます大きくなるその責務を果たし、ご期待に応えていかなければならないと考えています」と挨拶し、ご来場のお礼を申し上げました。
第1部 発表 「舞浜倶楽部のケア事例」
第1部では、新浦安フォーラムの中島をはじめ、介護現場の職員より、舞浜倶楽部のケア事例を発表させていただきました。
この内容は、9月7日~9日に北九州国際会議場で開催された「第二回日本認知症予防学会学術集会」でも報告したものです。
「タクティールケアの取り組みと効果について」
ご入居者へのタクティールケアの成果として、介護が必要な頻度が上がっているにも関わらず、ご入居者の認知症の周辺症状や介護者の負担感が緩和されている事例を、昨年と今年のデータ比較で発表しました。
「嚥下機能・認知機能へのアプローチにより食事摂取量が安定した症例~人としての尊厳を考える~」
入院をきっかけにミキサー食をシリンダーで摂取していたご入居者に対する食事介助の在り方を見直し、QOLを向上させた事例をお話しさせていただきました。
第2部 実演 「ブンネ法音楽ケア」
第2部は、舞浜倶楽部で、ケア手法として実践している、スウェーデン生まれの音楽ケア、「ブンネ法」をご来場のみなさまに演奏体験していただきました。
はじめてでも簡単に演奏できるように工夫された、ギター、フルート、チャイムなどのブンネ楽器をお配りし、日本初のブンネインストラクターである島村がブンネ法について解説。次いで、富士見サンヴァーロでブンネ法のケアにあたっている杉本の指揮で「ふるさと」「もみじ」「カノン」を演奏していただきました。
簡単に美しいハーモニーを奏でられるブンネ法音楽ケアに触れ、会場のあちらこちらで、笑顔が生まれました。
第3部 講演 「増えるレビー小体型認知症の今」
(メディカルケアコートクリニック院長 医学博士 小阪 憲司先生)
小阪憲司先生は「レビー小体型認知症」を発見し、認知症研究の第一人者として世界的に知られています。
2009年4月にも、新浦安フォーラムでご講演をいただき、その際は、著書「認知症はここまで治る・防げる」の内容に沿ってお話をいただきました。今回は、レビー小体型認知症について、 発見に至るまでの経緯や、その症状、診断法、治療法、今後の課題などについて、踏み込んだ内容の講演となりました。
会場では、熱心に耳を傾け、メモをとられるご来場者の姿がみられました。
講演後、グスタフより、「今後もこのようなセミナーを開催し、認知症や介護現場に対する理解を深める機会をつくっていきたい」と挨拶させていただきました。