有料老人ホーム 舞浜倶楽部
スウェーデンケア研修


スウェーデン研修レポート2

第2章 トルホゴーデン研修:2008年10月16日~18日

【施設紹介】
高齢者のグループホームとして1996年に開設された施設です。入居者数は約70名、6つのユニットに別れておりその内の二つは認知症専門のユニットです。 施設の側に作られた湖にはカモが泳いでおり、木々が生い茂ります。四季折々の風景を眺められる素敵な環境です。
トルホゴーデンの玄関トルホゴーデンの玄関
きれいな中庭が印象的きれいな中庭が印象的

【研修内容】
認知症グループホームのフロアにて、介護業務への参加、見学を行いました。 時間帯は初日に午後から夜にかけて、他2日間は朝から夕方にかけての時間、現場に入らせて頂きました。起床介助、食事、日中の過ごし方、夕食、就寝介助まで、ご入居者とも関わりつつ見学、ケアへの参加をさせて頂きました。

朝の定番はコーヒーにオープンサンド朝の定番はコーヒーにオープンサンド
就寝前の自宅で過ごすような時間就寝前の自宅で過ごすような時間

【感想:中島 洋平】
前日までシャローカで色々な事を体験して来た分、雰囲気の違いも感じましたが各施設、一貫して言える事は、スタッフそれぞれが、入居者さんのペースに合わせてケアを行っているということです。 こちらではレクリエーションに特色があります。初めての来所時は街の合唱団が歌を歌いに見えていました。他、特に恒例行事としてビンゴ大会では入居者が20人ほど集まり、一人1クローナずつ出し、勝った人が貰うという、なかなかスリリングな賭けビンゴを行っていたのです。数字が読み上げられているときの緊迫した静かな時間、先にあがられて悔しがる方の様子、すごく素敵なアクティビティでした。
なおかつ数字を聞き取ることや自分の数字に札を置いていく作業はリハビリにも繋がるのですから申し分ありません。 特に何もない時間(普段)は、職員と入居者さんが一緒にソファーに座りテレビを見たり、歌を聴いたり、ゆっくりとした時間が流れます。晴れた日は、向かいの湖に反射した太陽の光が部屋に入り込み、ゆらゆらゆれていて、何とも心地よい環境でした。 東京とは違う、エスロヴという小さな町の、ゆったりとした時間の流れを感じます。 また、こちらの現場では、長所短所、両面を見ることが出来た部分で大きな収穫であったといえます。一見、日本の介護現場では普通のように感じてしまう忙しい雰囲気も(それが良いというわけではありませんが)こちらのスタッフには特別な様子です。協力しながら行う作業でもいらいらが見え隠れし、雰囲気がぴりぴりしていた時がありました。
私はその時「国は違っても、職員が余裕を無くしてしまったときに陥る精神状態は一緒なのだ」と、当たり前のようなことではありますが、実感しました。 もしかすると忙しい状態でも平常心を保つという部分では日本人は、より訓練されているのかもしれません。 その一方で、忙しくて気持をフラットに保てなくなるような環境ならば変えていこうとする事に於いては、スウェーデン人の職員さんの方が、行動力があるのかもしれません。
また、3日間という短い期間ですが、職員が変わることで現場の雰囲気が、がらっと変わってしまう現実を目の当たりにすることがありました。施設設備が素晴らしいことは大事なことです。でも最後にその現場のケアの質を決定づけるのは他ならぬ「スタッフ自身」なのだという事を改めて感じさせられた現場でもありました。 毎日、高齢者の皆様が、心地よく居て頂くために、私たち介護スタッフは自己研磨しなければなりません。

恒例の賭けビンゴ。皆さん集中しています。恒例の賭けビンゴ。皆さん集中しています
食事のスタイルは主にワンプレートです食事のスタイルは主にワンプレート

先輩からのコメント 下館エイ子
先輩からのコメント
介護用福祉機器の種類と使い方をよく学習してきて下さい。 それと、ここにはダンスサークルがあって、地域の方が訪問されて、1日中踊ったり、入学前の子供達が毎日お昼を食べたりしていました。その方達をみているときの入居者がとてもいい表情をしているのが印象に残っています。子供達以外に、どういった地域の方々が来ているかみてきてください。
(第1回スウェーデン研修参加者 下館 エイ子)


第3章 アーレゴーデン研修:2008年10月20・21・24日 

【施設紹介】
高齢者用集合住宅「スーヘラン」の一角に作られた、小さな一軒家のような認知症専門のデイサービス。30人ほどの登録があり、1日多い日で10人の利用がある。通常のデイサービス業務の他、地域のニーズを抱える高齢者を訪問し、アクティビティを提供する活動も行っている。一日の自然な時間の流れをご利用者とスタッフとが共に過ごしています。各職員が得意とする事をレクに取り入れ、毎日の活動にするなど、その取り組みは「はじめ」「きはち」としても大いに共感できる環境作りを実践されていました。
一軒家のようなアーレゴーデン一軒家のようなアーレゴーデン
皆さんはタクシーでデイに来所されます皆さんはタクシーでデイに来所されます

【研修内容】
認知症の方々を対象としたデイサービスです。通常のデイサービス業務の他、職員がご利用者さんのお宅に出向き、訪問アクティビティを提供する活動の2つが有り、私たちはその両方に同行、ケアへの参加をさせて頂きました。

中庭の花を手に嬉しそうです中庭の花を手に嬉しそうです
歩行器の無料点検中(カリダールにて)
歩行器の無料点検中(カリダールにて)

【感想:中島 洋平】
「ここではスタッフ、ご利用者という間柄は出来るだけ取り除き、家族の一員のような関わりを持とうと私たちは決めている。」 アーレゴーデンのボス、レナ・ルンデルさんはおっしゃいます。 その言葉は現場で具体化されており、私たちも大いに共感する場面があり、勉強になった施設です。 まずは一日の流れから紹介します。 朝9時前後からご利用者がそれぞれタクシーで来所します。着いた方から自分でオープンサンドを作り、朝食として召し上がります。 その流れのまま、テーブルを囲って談話、それぞれが過ごしたいように過ごし、外出される方は出発。お昼の準備の11時半までを過ごします。 昼食後は皆さん、隣のソファーのある部屋に移動し、思い思いの時間を過ごします。スタッフも隣に座り、お話ししたり、編み物をしたり。かしこまったレクはありません。
2時からカフェタイムで皆、また居間のテーブルに集まり、3時に利用者さんは再びタクシーに乗り、それぞれ家へ帰っていくという流れです。 こちらでは、ご利用者さんと職員が、共通の話題の中でたくさんの笑顔を共有していた事が印象的でした。また、ご利用者さん自身が参加できそうな仕事には積極的に参加してもらっていました。
午後のカフェタイムは素晴らしい時間でした。スタッフとご利用者さんが入り交じり、話に花が咲き、無口な男性のご利用者さんも笑顔でその話に聞き入り、みな穏やかです。あっというまに一時間が過ぎて帰りの時間になりました。感銘を受けました。言葉が分からないで輪に加わっている自分でさえ心地よさを感じました。 そこで強く思わされたことがあります。 私たち介護職員が仕事の目的とする事は、何よりも今回見たティータイムのような時間をご利用者さんと過ごす時間を作り出すことではないかと言うことです。
もちろん優先されるたくさんの業務はあります。毎日のティータイムは日本だと到底、難しいと今は思ってしまいます。しかし、やれるような仕組みや仕事の仕方を作っていく必要があるように感じます。
一軒家のようなアーレゴーデン外出レク クリスマス一色です
皆さんはタクシーでデイに来所されます様々な施設で動物が飼われています

寒い冬に室内でも出来る運動器具は重宝します
寒い冬に室内でも出来る 運動器具は重宝します
私の居た日はアーレゴーデンに来所されていた男性と、地域の男性を連れ、郊外のホームセンターへ向かうとのこと。 なぜホームセンターなのかを聞くと、二人の共通する趣味が日曜大工だからだそうです。店に行き、色々見ることで刺激を得て貰いたいという理由でした。 本日ご一緒した男性は一度デイを利用しましたが気に入らずに不穏になられた経緯があるそうです。そして「デイに行くのは嫌だけどドライブだけならいつでも喜んで!」と言われるそうです。従って週に一回、アクティビティとして外出しています。
 ホームセンターではその男性に、施設用のクリスマス飾りを選んで貰っていました。男性は楽しそうに色んな物に目を向けながら選んでいきました。 そこに私は、レナさんなりの、「彼がアーレゴーデンへ行きたいと思ってくれるようになるためのさりげないきっかけ作り」を感じることが出来ました。 アーレゴーデンの職員さんは皆、ご利用者さんの方向を常に向いています。個人をよく知ろうとし、その方に寄り添ったケアを探る職員さんの姿勢に感銘を受けました。 今後研修に行かれる方は是非、ここには訪れて欲しいと思います。

先輩からのコメント 島村 孝範
先輩からのコメント
アーレゴーデンの記事を読むほどに、そこではとても優しい時間が流れているんだなぁ、と感じました。利用者の方とスタッフが、笑顔でそれを共有しているさまが心地よく想像されます。 また、スタッフの方々のふとしたときに言われる言葉に、同じ仕事に携わる者として勇気づけられる思いがしました。 本当に素晴らしい経験をされたのですね。
この度の研修は、お二人の今後の舞浜倶楽部でのお仕事ぶりに、きっと素敵な影響があると思いますので、私も勉強させていただくつもりです。 研修中は、大変なことも沢山あったかと思います。おつかれさまでした。
(新浦安フォーラム 小規模多機能型施設 きはち 介護職員 島村 孝範)


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